~ 歌詞でよむ初音ミク 183 ~ いるかジェット

アダルトグッズ使いのミクさん

一見するとポップなラブソングですが、実際はかなり大胆にエロい歌詞になっています。そこをしれっと明るく歌ってくれるミクさんの魅力も詰まった作品。曲・詞ともに、OSTER project (fuwacina) さんです。

 

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たぶん「いるか」は、

男性器のかたちをした大人のオモチャ。

 

「あなた」が「カワイイよ」と笑うと、

「あたし」も「カワイイね」と返す、

そんな百合百合しい二人のあいだをつなぐ大切なアイテムです。

 

脚のあいだで挟まれたその「いるか」の「スイッチ」を押せば、

さざめきながら「泡立つジュースの波」が押し寄せて、 

「蜜の味」を教えてくれる――。

 

そのたびに、あなたは「繋いだ指」をぎゅっと締めるから、

その強さで「悦び」のぐあいが伝わるのです。

 

「いるか」のおかげで噴き出した波の「ジェット」で、

今日も、二人は「天にも昇る」 ほど溶けあうのでした。

 

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と、まぁとにかく明るく楽しくエッチなポップなのですが、

もうひとつふたつ押さえておきたい部分があります。

 

一つは、このミクさん、

なかなか「サディスティック」な面があること。

 

「まだやめてあげないよ」と告げるミクさんは、

歌詞中で受け身にまわることはなくて、

「私だけのあなた」を求めています。

 

そしてもう一つは、

サディスティックではあるのだけれど

かなり "思いやり" があることです。

 

敏感なところに触れるのでちゃんと「深爪」にしていたり、

「丁寧に」、「慈しむように」身体を重ねています。

 

この2つを合わせてみると、要するに、

彼女はいわゆる "奉仕のS" というタイプのようです。

 

奉仕のSというのは、 

暴力で強引に "屈服" させるのとはちがって、

相手の欲望を、本人が思っている以上に叶えて溺れさせて、

"わけがわからない" 状態にしてあげることに快感を覚えるタイプです。

 

「奉仕」というと下からの立場みたいですが、

ある意味もっと強烈に、「心ごと」支配したい願望なのかもしれません。

「私だけのあなた」にするために。

 

面白ネタのようにみえて、

ただのネタワードじゃなく百合のテーマがあって(いるかは二人に無いもの)、

しかも、さらっと微かな一種のサディズム心理までしっかり描けるところが、

OSTERさんの天才だけど人間らしい、すごく素敵なところだと思うのです。