~ 歌詞でよむ初音ミク 196 ~ 真昼の月

「あの子」が邪魔すぎて

意外なコード進行なのに、とても聴きやすい優れたメロディーメーカー。甘いヤンデレぎみなミクさんの声で、爽やかなのに怖さも感じます。曲・詞ともに、なつめ千秋さん。

 

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「君をずっと眺めていたい」。

「その目も声も指も欲しかった」。

 

ところが「君の彼女」みたいな人がいました。

「本当のことは知らない」けれど。

 

その人が「またね」と笑います。

「綺麗だな…」と思って、

だけど喉元がきゅっと締まるような感覚。

 

「何もかも独り占めしたかった」。

 

すると

「胸の奥に住む悪魔」がふつふつと湧いてきて。

 

送らない手紙もたくさん書いたけど、

「気付かれなくたっていいの」。

 

けっきょく「足掻いたって君しか見えないよ」 。

  

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「あの子」と名指しするのは一回だけ。

 

あとは名指しもせずに(主語にもしないで)

「いじわるだ」「いなくなってしまえ」

と歌っています。

 

このこと自体が、

"意識もしたくない"、"「あの子」の存在すら考えたくない"

という感情を見事に表現しているんじゃないでしょうか。

 

この曲のほとんどは「君」のことを歌っています。

でもその恋を伝えられないのは「あの子」がいるからです。

 

つまり、

「君」への想いが募れば募るほど、

 

"言葉にもしたくない"

「あの子」の "邪魔さ" が煮え立ってくる仕組み。

 

触れないことで、

むしろ強調されることもあるのです。

 

明るい「真昼」のことを歌っているはずなのに、

うっすらと「月」が見えつづけているような・・・。