~ 歌詞でよむ初音ミク 189 ~ ラッキー☆オーブ
もしかして宇宙から!?
ハッピーでどことなく東洋テイストもあるEDMに乗せて、明るくお気楽なミクさんの特徴がよく出ています。曲・詞ともに、emon (Tes.)さんです。
(ニコニコは無いのでyoutubeのみです)
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「ガミガミ」怒ってくるばっかりのパパ。
小さなことにいつも「イライライ~ラ」してるママ。
ネットをひらけば「連日流れてくるバッドニュース」、
周りには「大人ぶって見下してくる」友達や、
「嫌いなアイツ」、「苦手なあの子」がたくさん。
それだけじゃない。
こうして、
「誰にも言えない隠し事」をいっぱい抱えながら、
ついなんでもグチグチ言っちゃう「キミ」自身。
でも「物語」は動き出そうとしています。
「なぜだか分からないけど」、
「なにかが変わるスペシャルナイト」。
だったらいっそ「全て脱ぎ捨てて」、
ぜんぶ「ロケットに乗せて星の彼方」に飛ばしてみたら?
この瞬間を一緒に迎えられただけで、
「キミ」も皆も、「ラッキーボーイ/ラッキーガール」なんだから。
絶妙にワクワクしてそうな
「ローケットーに、のせーて♪」の歌い方がかわいすぎます。
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さて、
こんなふうに「キミ」に呼びかけているミクさんは、
まるでクラブDJのようでもあり、
ライブの中心にいるアイドルのようでもあります。
でも、
この曲には「ロケット」「星の彼方」が出てきますよね。
"イヤなものは宇宙に飛ばしちゃってサヨナラ" (地球視点) というより、
"イヤなものもぜんぶまとめてこっちに来なよ" (宇宙視点) って感じがしませんか?
だから、むしろ地球に対してメタ視点で、
ミクさんが「宇宙」から交信してる、みたいな気がするんです。
ネガティブなことも宇宙から見れば
「なんでもいいや」、ちっぽけなことだよ。
「とりあえず」ぜんぶ「ロケット」に乗せて、
こっちに来なよ、一緒に踊ろうよ、と。
人間だったらパリピ的な感じですが (笑)、
そうじゃなくて宇宙視点のスケールからみて、
人間界のゴタゴタを「なんでもいいや」と言えちゃうとしたら、
人間ではないからこそお気楽なミクさんならでは。
じっさいタイトルは、「ラッキー☆オーブ」(orb=球体=地球)ですし。
そうやって聴くと、もっと「ロケット」の射程も広がって、
ただの直接的な煽りメッセージ曲というよりも、
もっとファンタジックでゴキゲンな言葉に感じられると思うのです。