~ 歌詞でよむ初音ミク 164 ~ ひとりHパーティナイト

パーティナイトに隠されたいろいろな「H」

ファンクっぽいノリですがバッキバキのEDMがすごくかっこいいこの曲。(たぶんV4Xの)ミクさんの張りのある鋭めな声も素敵です。「Jimmy'z」さんというサークル(曲・詞ともにwotakuさん)の作品。

 

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どうやら語り手は、

ハロウィンの季節に「愛した人」を亡くしたのかもしれません。

 

それがどういう人かは分かりませんし、

もしかしたら架空の人物かもしれませんが、

その季節とは、彼にとっては「死者が出る夜」だったようです。

 

「泣いて 咽び 嘆き 枯れて 朽ちて」いく様子を見ていた彼は、

いまもかつての「写真の中の風景以外見れない」ような有り様。

 

そうした「サカサマの気持ち」を想像もできず、

幸せに飽きて、他人の不幸を好物にする人々への憎悪が歌われています。

 

そんな彼女を殺したのは「お前ら」のような奴らだ、

「笑みを浮かべ」その死に様すら「名作だと褒めてた」連中なんだ、と。

 

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わたしは別にこの曲に出てくる「パリピ」ではないですけど、

こんなタイトルだと、さすがに勘違いしますよね(笑)。

 

でもたぶんそこが仕掛けで、

「君なら『H』に何を入れますか?」と試されています。

 

みんなが楽しく浮かれているときに、

「消えてゆく」人、「涙」を流す人もいることへの想像力。

同じ日が「Hell」だったり、「Heaven」だったりということでしょうか。

 

たしかに思えばハロウィン自体、

そもそも「死者」とのつながりを確かめる日ですから、

あのお祭りには表と裏がありますし。

 

だけど、動画にもあるように

「Hell」や「Heaven」だけじゃなく色んな「H」があるわけなので、

同じ日に色んな気持ちや思惑の人々が交差してうごめいている・・・

という風に、一歩引いた視線で聴いてみるのも面白いかな、と思いました。