~ 歌詞でよむ初音ミク 164 ~ ひとりHパーティナイト
パーティナイトに隠されたいろいろな「H」
ファンクっぽいノリですがバッキバキのEDMがすごくかっこいいこの曲。(たぶんV4Xの)ミクさんの張りのある鋭めな声も素敵です。「Jimmy'z」さんというサークル(曲・詞ともにwotakuさん)の作品。
**********
どうやら語り手は、
ハロウィンの季節に「愛した人」を亡くしたのかもしれません。
それがどういう人かは分かりませんし、
もしかしたら架空の人物かもしれませんが、
その季節とは、彼にとっては「死者が出る夜」だったようです。
「泣いて 咽び 嘆き 枯れて 朽ちて」いく様子を見ていた彼は、
いまもかつての「写真の中の風景以外見れない」ような有り様。
そうした「サカサマの気持ち」を想像もできず、
幸せに飽きて、他人の不幸を好物にする人々への憎悪が歌われています。
そんな彼女を殺したのは「お前ら」のような奴らだ、
「笑みを浮かべ」その死に様すら「名作だと褒めてた」連中なんだ、と。
**********
わたしは別にこの曲に出てくる「パリピ」ではないですけど、
こんなタイトルだと、さすがに勘違いしますよね(笑)。
でもたぶんそこが仕掛けで、
「君なら『H』に何を入れますか?」と試されています。
みんなが楽しく浮かれているときに、
「消えてゆく」人、「涙」を流す人もいることへの想像力。
同じ日が「Hell」だったり、「Heaven」だったりということでしょうか。
たしかに思えばハロウィン自体、
そもそも「死者」とのつながりを確かめる日ですから、
あのお祭りには表と裏がありますし。
だけど、動画にもあるように
「Hell」や「Heaven」だけじゃなく色んな「H」があるわけなので、
同じ日に色んな気持ちや思惑の人々が交差してうごめいている・・・
という風に、一歩引いた視線で聴いてみるのも面白いかな、と思いました。